結言

25. 結語

以上が私の80年間の経歴である。
只最后になり、隆文より家の補修のため、名儀変更を条件に80万と云う大金を都合してもらったが、これだけの金額を押し付けて、その結果はご破産になってしまったことである。
この外に隆文には隨分と金銭的に負担をかけたことで、今になり、それらを概略計算しても

80万 家屋の補修
30万 優子結婚式の費用
70万 本洲旅行費(2人1回の往復、140000×5回)
36万 私に対する小使銭(10、000×3ヶ年分)隆文札幌在勤3年)
120万 (10、000×2(年2回)×6年分、
計336万

以上のように概略計算の外、親が負担しなければならない、隆文の結婚式費用等を考へれば、相当な金額である。
これを思へば、如何に私達の子供であるとは言へ、普通仲々出来るものではないと考へさせられるのである。

これに答えるには、私達2人の死後、例え1銭たりとも多く残して置いてゆきたいものである。

尚私は現在に至って考へることは、私達2人共幸福な1生であったと思えることである。

それは、隆文、優子共、子供の項から全く、手が掛からず、共にすくすくと成長し、成人となってからは親の手を患わせることもなく、自分達自ら、良き伴侶を得て、幸福な家庭を営み、又可愛い孫達をもうけてくれ、云うことはなしである。

その外に私達2人は80才を超える長寿にも恵れ野中、武塙両家の人々にも無かった幸運に感謝の外はない。

尚北郷の2階を改築の時は隆文に、その費用80万を送金してもらうより依頼し、その代償として家屋及土地の名儀を隆文の名儀に変更する約束で送金を依頼したが、結果としては、名儀を変更する前に、家屋の外壁補修に100万円要することと、隆文名儀に変更した場合は、土地家屋税は、隆文の所に請求が行くことを考へ、私の最初の考えであった、隆文名儀変更の考へを変考したので、結局隆文には、嘘(ウソ)を云ったことになるのであるが、これが何よりの私の気掛りである。
しかしこれは遅れ走せになるが、私達2人が亡くなった後に銀行予金の分で、これに当ててもらうより外に方法がない。

 

※注:タイトルが「結言」となっていますが、この後にもう少し続きがあります。

 

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