13. 吉林人造石油準社員時代

吉林人造石油(5) ~満州編2-5~

渡満後初めての帰省 それから1週間後の或る日、私に対して篠原所長より10日間の帰郷許可が出た。 私は喜んで早速準備に取りかかり9月25日吉林出発、罹津経由で帰國の途についた。 大口前では満洲土産にするような物は何一つなく仕方なしに私は...
13. 吉林人造石油準社員時代

吉林人造石油(4) ~満州編2-4~

漢陽鎭に1時宿泊する 第2回目の出張から帰ってから私は又元通り炭調をを続けていたが、私の受持区域の炭調は一応終り、次に区域を変えて、大口前より10km程離れた漢陽鎭(※注1)という部落近くの炭調を行うことになった。 それで私達が炭調に出...
13. 吉林人造石油準社員時代

吉林人造石油(3) ~満州編2-3~

鉄鉱石調査に出張 やがて春爛漫(ランマン)の5月も終り、6月中旬となった或る日、私は所長より、鉄鉱石の調査に出張するよう云われた。 私は命令であるから一応受諾したが、一寸面喰ったのである。 私は養成所では地質学の時間に鉱物サンプルに依...
13. 吉林人造石油準社員時代

吉林人造石油(2) ~満州編2-2~

吉林人石大口前砿業所勤務となる その日の夕方は事務所の近くにある耺員寮へ落着き私達3人の歓迎会を開催してくれ、入寮耺員全員の招介があった。 砿業所耺員だけの(雇員以上)総数は私達3名を含めて26名で、その内訳は幌内18名、残り8名は眞谷...
13. 吉林人造石油準社員時代

吉林人造石油(1) ~満州編2-1~

赴任先吉林に到着する 私達3人は話に聞いた匪賊に会うこともなく、やがて夕刻吉林駅に到着した。 列車が鮮満國境図們駅を出た途端、風景が一変した。 それは北鮮と違い広々とした平野と見渡す限り、畠と水田であった。 畠は満人が耕作する高粱と...
12. 満州へ渡る

満州へ渡る ~満州編1~

幌内砿業所退耺し渡満する さてその項の世相は、満洲國が誕生し、日支事変は益々拡大し、遂いには第2次大戦にまで突入しようとする処まで来るようになっていた。 それと同時に不況による國内生活は窮屈となり自由を求めて新天地の満洲に対する渡満熱が...
11. 北炭幌内砿業社員時代

北炭幌内砿業所(2) ~北海道編8-2~

同僚の事故死 私が運搬係を務めて早やくも半年が過ぎた11月の或る日、同僚である橋本という係員の事故死に遭遇した。 その日、私達係員は昼食を坑内に設けてある係員詰所で給仕が運んで来てくれた各自の辨当を食べ終り同僚の橋本係員と食事中話合った...
11. 北炭幌内砿業社員時代

北炭幌内砿業所(1) ~北海道編8-1~

北炭幌内砿業社員となる いよいよ3月1日付けを以って北海道炭砿(株)入社である。 まづもって幌内砿業所、幌内砿々長の所へ挨拶に行った。 入社人員は前以って6名に決定されていた。 砿長は私達の挨拶を受けた後、明日夕張へ行き当時夕張に北...
10. 炭砿技術員養成所時代

炭砿技術員養成所の1年(3) ~北海道編7-3~

冬期休暇並びに稲村氏の応召 その年も暮れて私共は第二学期が終ったので12月末に夫々家へ帰り、正月を迎えた。 冬期休暇は1月15日までで、この休暇中1週間だけ又養老坑の実習を行った。 今度はレポートなしであったので自分の考へたことに重点...
10. 炭砿技術員養成所時代

炭砿技術員養成所の1年(2) ~北海道編7-2~

学業始まる やがて11日となり我々は改めて養成所の生徒となった。 生徒数は100名で年令は20才位から30才位までであった。 この中で28才と30才になる人は既に結婚をしている人であった。 これは前述のように旧制中学を出ても満足な耺...
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